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eナースセンターとは
eナースセンターは日本看護協会が行っている無料職業紹介事業です。47都道府県に必ず1つの都道府県ナースセンターがあり、それぞれの都道府県の看護協会が都道府県から指定を受けて、看護師確保に向けた取り組み、運営を行っています。
平成26年度のeナースセンターの求人実績
全国計 | 単位 | |
有効求職数 (a) | 49,953 | 人 |
有効求人数 (b) | 162,672 | 人 |
紹介者数 (c) | 14,208 | 人 |
就職者数 (d) | 10,110 | 人 |
求人倍率 (b)/(a) | 325.7 | % |
求職者紹介率 (c)/(a) | 28.4 | % |
求職者就職率 (d)/(a) | 20.2 | % |
求人紹介率(c)/(b) | 8.7 | % |
求人充足率(d)/(b) | 6.2 | % |
求人施設実数 | 19,988 | か所 |
出典:ナースセンター求人・給食統計
eナースセンターの求人実績からみる看護師の転職方法
有効求人数が185,578人分あり、求人倍率が279.2%もあるにもかかわらず、紹介率は25.7%、就職率は25.7%に留まっています。県別でみても求人倍率を1を下回っているのは佐賀県のみと求人数は一定数確保できていることが伺えます。
就職率が一桁なのは、千葉、東京、神奈川、大阪、兵庫、福岡と大都市圏に集中しています。
求職者紹介率 (%) | 求職者就職率(%) | |
千葉 | 12.8 | 6.0 |
東京 | 23.4 | 9.6 |
神奈川 | 13.9 | 6.9 |
大阪 | 14.9 | 6.5 |
兵庫 | 10.2 | 6.7 |
福岡 | 16.4 | 6.5 |
平均 | 15.26 | 7.0333 |
出典:ナースセンター求人・給食統計
このように首都圏など就職率が低い地区では紹介率も全国平均を下回っており、紹介まで至っていないことがわかってきます。
なぜ紹介まで至らないのか
- 勤務体系などの条件が厳しい
- 給与が安い
- 求められるスキルが高い
実際に働きたいと考えている求職者と、雇いたい側とで考え方に開きがあり、条件が折り合わないために紹介まで至らないケースがほとんどです。つまり「求人を見るだけで応募をするほどではない」という結果が見えてきます。
実際にeナースセンターを見てみてください。今よりいいかもと思う求人もあるとは思いますが、現状を捨ててまで働きたいかと考えると手が出ない案件が多いのではないでしょうか。
eナースセンターの求人は看護師だけでない
ナースセンターとはいいますが、大きく分けると以下の4種類の求人があります。
- 保健師
- 助産師
- 看護師
- 准看護士
看護師の求人が最も多くなっていますが、保健師、助産師も相当数の求人があることがわかります。
職種 | 有効求人数(人) |
---|---|
保健師 | 6,665 |
助産師 | 3,683 |
看護師 | 162,672 |
准看護師 | 12,558 |
eナースセンターで就職、転職を考えるメリット
- 日本看護協会のお墨付き求人で信頼できる
- 各都道府県が主体なことから地方求人に強い
- ほとんどの職員が元看護職で話が通じる
- 日本看護協会が潜在看護師の復職に力を入れている
日本看護協会のお墨付き求人で信頼できる
民間企業の転職サイトが信用できないという方には、やはり日本看護協会が運営しているという点でおすすめ。これ以上の信頼できる求人は難しいとも言えます。各地区のハローワークは各地区のナースセンターと協力して求人を出していますが、それであればeナースセンターでも同じということになってきます。
公的な機関であるeナースセンターは利用料無料で、登録だけで利用ができるようになっています。
各都道府県が主体なことから地方求人に強い
転職サイトなどは一定の地区に強かったり、全国対応していない、または全国対応しているもののやはり首都圏大都市に強いといったことが起こりがちですが、eナースセンターでは各都道府県が主体となって行っているため、地方求人に強いというメリットがあります。
東京が本社の転職サイトが愛知県の求人を端から端まで集めるのは大変かもしれませんが、eナースセンターは愛知県のeナースセンターが管理運営していますので、しっかりと求人を集めることができます。
ほとんどの職員が元看護職で話が通じる
転職サイトのスタッフは転職コンサルタントとして転職における求人収集や情報収集、交渉術などの技術を持っていますが、看護師であったわけではありません。このため看護師にしかわかりえないような部分を相談したい場合には通じないこともしばしば。経験値の高い転職コンサルタントはそういった状況も経験していますので、話が通じないことの方が少ないですが、eナースセンターはそもそも同じ元看護師の人が多いため、ストレスなく相談することができます。
日本看護協会が潜在看護師の復職に力を入れている
このため研修などを準備することでブランクを気にせず復職へ向けてサポートする体制を整えています。無料で参加することができますので、勘が鈍っているか心配、そもそもどんなことをしていたか忘れたといった方は是非とも一度研修を受けてみることをおすすめします。
eナースセンターで就職、転職を考えるデメリット
- 求人と求職者の希望に開きがある
- 条件の交渉などは自身で面接時に行うしかないのでほぼ不可能
- 病床数20~200までの小・中病院の求人が多く、やや偏っている
求人と求職者の希望に開きがある
全国計で求人倍率279.2%もあるにもかかわらず、求職者紹介率25.7%、求職者就職率17.4%と2割以下しか就職、転職に成功していません。そもそも応募にまでたどり着いていない点からも求職者と求人の条件には開きがあることが伺えます。
条件の交渉などは自身で面接時に行うしかないのでほぼ不可能
もちろん条件の交渉は自身で行わなければいけません。しかし、実際に給与交渉を行える機会は面接時のみ。面接でいきなり給与や条件交渉ができる人は少ないと思います。このため交渉はほぼ不可能ともいえます。
病床数20~200までの小・中病院の求人が多く、やや偏っている
大病院に勤務したい!という希望がある場合には、やや求人は少なめの傾向にあります。しかし小・中病院に比べて大病院自体が多いわけではないので、決してものすごく偏っているわけではありませんが、大病院で働きたい場合には働きたい病院を決めていることも多いと思います。その条件から探してみるとやや少なく感じるかもしれません。
eナースセンターを利用して就職・転職するポイント
地方求人に強いeナースセンター。転職に時間が取れる人で首都圏でない場合には求人を除くだけでも利用してみるといいでしょう。また看護師ならではの問題にあたって退職した方など、看護師としての相談に乗ってほしい人もおすすめ◎経験者がしっかりと相談にのってくれます。希望があれば求人施設についても教えてくれます。
とにかく転職に割く時間がない方には向いていません。自分で探す手間を省きたい人は転職サイトを利用した方がいいでしょう。また完全に求人を把握したい猛者は、eナースセンターは見ておいて転職サイトを利用してください。転職サイトよりもeナースセンターの方がいい求人があった場合、そこを転職サイトに伝えて、さらに条件交渉をしてもらうこともできます。