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保育士の残業がサービス残業となっている
残業手当が法律通りにしっかり出ていれば、支給額はそれなりになるはずの保育士。しかし実際には保育士の残業はサービス残業がほとんどで給与に反映されることはほとんどないというのが実態です。これが保育士が続かなかったり、資格を持っていても働かない理由のひとつになっています。
保育士の勤務時間
保育士のシフトは以下のような形態が多くなっています。
- 早番、遅番
- 早番、中番、遅番
- 会社員と同じように9時18時など一日の勤務
退勤時間にスムーズに帰れることは少ない
しかし現実はこううまくは回りません。開園時は早めに出勤する必要がありますし、退勤時間も相手は児童ですので、対応を放り出して帰るわけにもいかず、時間になったから帰りますとスムーズに退勤できることは少ないのが現状です。
また、お迎えにくるのが遅くなった親がいた場合には、児童を置いて帰れるわけはありませんので、当然その時間まで待っていなくてはいけません。18時までだったとしても19時に、20時に、21時に…と遅くなってしまうこともあります。
持ち帰り業務の多さ
もし退勤時間にしっかりと帰れたとしても、勤務時間内に終わらない仕事というのは山ほどあります。
子育ての経験をしたことがある人ならわかる、思い通りに進まない仕事
掃除、洗濯、買い物、食事作り。普段行えていたことも子供ができれば全く思い通りには進まないのが育児。余りに思い通りにいかず、頭がおかしくなりそうな時もあったのではないでしょうか。保育園ではまさに同じことが起こっています。まして子供は一人ではありませんので、子供と接する以外の多くの仕事が全く進んでいないということは普通のことです。こちらの記事を読んでみてください。
保育士の1日の仕事量は?1つの仕事にかかる平均時間、主な業務内容を紹介
保育の仕事にはこれほどの量の仕事があり、これらを毎日行わなくてはいけません。当然できる日もあれば、思い通りに進まず終わらない日もでてきます。
お遊戯会や発表会などのイベント時の地獄
「子供が可愛い格好をして、お遊戯会や発表会をする」こんな思い出は誰にでもあると思います。しかしこのイベントの裏には保育士さんの涙ぐましい努力が。
いざお遊戯会へ行ってみれば、皆がしている紙で作られたお面や洋服があります。周りを飾っているボンボンや紙で作られたお花も。これらは園児と一緒に作りますが、全員がきちんとできるわけではありません。手伝う必要もありますし、全くできずにほとんど作ってあげることもあります。園児は自分の分で精いっぱいで、周りを飾る飾りは全て保育士だけで作ることになるケースは少なくありません。
それら制作物を持ち帰る「持ち帰り業務」は非常に多くなっています。むしろ私の周りで持ち帰ったことのない人はいません。毎日少しずつ家に帰っては制作物を作る毎日という経験がある人は多いと思います。
保育計画や記録などの提出物の多さ
保育計画
保育計画は大変なものです。日案、週案、月案があり、これらをある程度まとめて作っておく必要があります。これらをもとに職員同士で話し合ったり、保育の現状が計画通りに進んでいるか、進んでいなければどうしていくかを確認していく必要があるからです。しかしまとめて作る時間は相当なもの。更に日案や週案は保育の状況をみて修正もしていかなくてはいけません。
保育記録
保育計画を立て、修正も行っていきますが、さらに毎日保育記録を付けていかなくてはいけません。しかもこれは園児一人ひとりについて書いていくもの。一人一行書くだけでもそれなりの時間になりますが、記入事項は定められていますので簡易化することもできません。
改善されつつあるこれらの慣習
保育士の確保を急務としている国や保育園は、保育士のために勤務状況の改善を掲げています。
保育士の人数を確保することで一人が子供の世話をしている間に他の人が事務仕事をしたりと業務分担制にしたり、シフトをずらし遅番を作ることで園児の帰宅後に事務作業ができるようにしたりしています。
また国が給与の補助を行い、給与アップも図られています。
転職することで改善は見込める
保育園は園によって考え方や習慣が違いますので、転職するだけで勤務状況が劇的に改善されたケースも多くなっています。残念ながら「給料が劇的にアップした」というケースは少ないのですが、シフトや勤務時間、残業の有無はぐっと改善できる傾向にあります。
保育士は皆同じようなことで悩んでいるので、求人は常にチェックしておくのがおすすめ
保育士の多くは同じようなことで悩んでいる人が多いので、良い求人はすぐに決まってしまいます。このため、転職を少しでも考えてみるのであれば転職サイトに登録して情報だけ送っておいてもらうというのが賢い転職方法。
退職前であっても、いい求人を見つけた時はすぐ面接へ。1カ月後の勤務開始でいい場合も多いので、決まり次第退職を願い出ましょう。