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アカウント型保険とは
アカウント型保険とは、正式名称を「利率変動型積み立て終身保険」といい、終身保険の保障と、積み立て貯蓄機能がセットになっている生命保険です。セットにはなっていますが、主契約は貯蓄機能の方で、保障は特約として付帯します。
貯蓄の契約をし、特約で生命保険を付けるイメージです。
例えば毎月1万円の保険料とした場合
- 6,000円は貯金(貯蓄)
- 4,000円は保険(保障)
といった具合に設計することができます。この割合は自由に設計できます。この時4,000円分の保険は掛捨てとなりますので貯金されません。6,000円だけが毎月貯金されていきます。40年で満了の場合288万円貯まるということです。※288万円は契約満了まで6,000円貯め続けた場合
そしてこの貯金部分はいつでも引き出すことができます。「それでは意味がないじゃないか」と思うかもしれませんが、保険料払込満了時点で貯蓄されていた金額に合わせた終身保険に加入することができます。このため満了時までは4,000円の定期保険に加入し、保険満了後は今まで積み立てた金額に合わせた終身保険に切り替わるというイメージです。
また引き出すのとは反対に、いつでも余剰資金を投入することができます。
定期付終身保険との違い
定期付終身保険の場合は、保険料払込み満了後の終身保険の設定を先に決めて毎月支払いをしていきます。このため貯蓄に充てている部分は引き出すことができません。また引き出しができない分、必ず一定金額の貯蓄ができるため、払込満了時に終身保険分の貯蓄が貯まってなかった!ということはありません。
アカウント型保険の注意点
保険料のほとんどが定期保険部分に充当され、貯蓄ができていない
毎月の金額のほとんどが定期保険部分に充当され、保険料支払い満了時には全くお金が貯まっていなかったというケースがあります。この点に注意してください。保険料支払い満了時点でたまった金額に合わせた終身保険に加入できる仕組みなので、お金が貯まっていなくて終身保険の保障がほとんどなかったということになりかねません。
特約の定期保険部分の更新に注意
アカウント型保険は特約の定期保険部分を10年から15年で設計するのが一般的です。この時問題になってくるのが更新。特約を10年で加入した場合、30歳で加入して40歳で更新する必要がありますが、この場合では保険料が150~180%もアップしてしまいます。
すると毎月10,000円の保険料として、貯蓄6,000円、保険4,000円という配分にしていた場合、同じ保険内容で更新する為には保険部分が150%アップすると貯蓄4,000円、保険6,000円と逆転してしまいます。もちろん補償内容を下げて保険料の金額を下げて対応することもできますが、例えば子供が幼かった場合はまだ死亡保障を減額しない方がいいでしょう。
結果的に子供にお金がかかる時期に保険料がアップしたという問題にもなりかねませんし、契約満了時に貯蓄が想定よりも全然たまっていなかった!ということにも繋がります。
解約返戻金は貯蓄した分のみと考えよう
基本的に貯金と掛捨ての定期保険に加入するようなものなので、解約返戻金というものはないようなものです。今までに積み立ててきた貯金部分が戻ってくるだけと考えてください。
保険証券に書かれている解約返戻金は一例であり、嘘ではありませんが、まるで多くの金額が戻ってくるように書かれている場合もあります。注意してください。
アカウント型保険への乗り換え
車の買い替え時に今の車を下取りに出して、新しい車の購入費用の一部に充てることがありますが、同じ保険会社の保険で乗り換える場合はこれと同じようなことができます。これを転換といい、下取り金額を転換価格といいます。転換価格は解約返戻金よりも多い金額である場合が多くあります。
ただし他社の保険へ乗り換える場合には一度解約して、入りなおすことになりますので、転換は使えませんので注意してください。