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薬剤師でもブラックな職場ってありますか?
比較的しっかりとしている薬剤師の労働環境の中でも、ブラックな労働状況もないわけではありません。例えば、病院薬剤師なんかは病院ヒエラルキーの中では医者、看護師、薬剤師の順で低めの立ち位置であることも少なくなく、残業が多かったり、休暇が取れないといった病院も。
では薬局に関してはどうなのかということですが、どういった点でブラックと言うのかで変わりますが、基本的には一般的な企業と同じと考えてください。転職コンサルとして相談を受けた例としては以下のような話を聞くことがありました。
- 残業が多い
- 残業代が出ない
- 給与が不当に低い
- パワハラ体質
- セクハラがある
- 激務で休めない
- 派閥があり、常にギスギスしている
- 育休はなく、取るなら退職
つまり「ブラックな職場ってありますか?」の答えとしては「イエス」となってしまうと思います。
ブラックかどうかを判断する方法はありますか?
離職率の高い調剤薬局やドラッグストア、病院、つまりいつまでも求人を出している職場は問題を抱えている可能性が高い薬局だといえます。理由としては以下のようなことが考えられます。
- 求人を出しても決まらない
- 決まってもすぐに辞めてしまっている
- 薬剤師の数が全く足りていない
転職コンサルタントとしての経験では、上記のような求人はいつまでも残っているので印象にも残っています。
どんな理由で離職率が高まるのですか?
オーナーや店長など主要な人材の変更があった
オーナーが変わるということはかなり少ないのですが、個人薬局の場合は息子さんや娘さんなどの家族に変わることがあります。こうした時に先代についていたスタッフが辞めてしまい、薬剤師を含むスタッフの定着率が下がった薬局があります。
また大手薬局の場合は転勤などもあり、店長が変わることは珍しくありません。店長が変わることで薬局の雰囲気が変わり、スタッフ離れが起こることがあります。
教育体制に不備がある
教育体制の不備で薬剤師が離れるケースも珍しくありません。薬はずっと同じものもあれば年月が経てば新薬も出てきますし、ジェネリック医薬品が出てきた頃もありました。このように薬の事情も変わっていきますので、勉強ができる機会もなくてはいけません。
これらを個人で学ぶには限界がありますし、個人で勉強して調剤したものを患者さんに渡すにはリスクが大きすぎます。しっかりとした教育体制の元で新しい薬についても学んでいける環境は大切な要素です。
求められる仕事以外の仕事が多い
例えば調剤薬局の場合、調剤以外の仕事が多く、ほとんど全てを一人でできるようにしておかなくてはならない薬局などもあります。こうした体制は病院や大きなドラッグストアなど大規模な施設では起こりえないことですが、個人薬局など小規模では生じやすい問題です。
全部の仕事ができるということ自体にはスキルアップの意味も考えて損なことはありませんが、それが常習化し、少人数で回しているような状態ではミスをしかねないですし、肉体的にも精神的にも負担になってきます。またその分責任も重たくなってきます。
例えば薬の発注や管理だけとっても1000品目はある備蓄医薬品をチェック、管理するのは短時間でできるようなことではありません。また資料作りが必要になれば閉店後に行う必要も出てきます。薬歴入力だけを取ってみても多くの仕事量です。
薬剤師の人数が確保できていればこのようなことは起こりにくいと言えます。
お金に関する問題がある
- 求人内容と給与額が違った
- ボーナスがでない
- 昇給の見込みがない
- 残業代が出ない
こうしたお金に関する問題は必ず離職率を高めます。薬剤師の業界は資格取得年数が6年になって以降、転職しやすい業界となりました。このため製薬会社など難関でなければ一か所に固執する理由がありません。このためお金の問題が起こるとたちまち離職率の高い職場になります。
悪口をいうような上司、スタッフがいる
小さな薬局やドラッグストアの場合、人間関係は非常に重要です。ひとり悪口をいうような人がいれば、それだけで調剤室などは険悪な雰囲気になりかねません。こういった性格の薬剤師がいるとその人以外の離職率が高まり、周りが全員新人になると、余計に横柄な態度になっていくことでどんどん雰囲気は悪化していきます。
このため、もし近くであれば一度足を運んでみることをおすすめします。調剤薬局でもドラッグストアでも、また病院であっても、スタッフ間の表情や会話にそれとなく耳を傾けてみましょう。スタッフはまさか見られているとは思っていませんので、いつも通りに仕事をしているはずですので、雰囲気は十分に掴めるはずです。